70点は、良い点ですか? ― 点数は、平均点とセットで見てください。

テストが返ってきて、70点だったとします。
さて、この70点は良い点でしょうか。
実は、この情報だけでは判断できません。 平均点が50点なら、かなり良い結果です。でも平均点が85点だったとしたら、少し心配な結果ということになります。
同じ70点でも、意味がまったく変わってしまうんです。
だからこそ、テストが返ってきたときに見てほしいのは、点数そのものではありません。点数と平均点の差です!
点数は、自分の力だけでは決まりません。
ここは知っておくと、かなり気持ちが楽になります。
テストの点数は、次の2つで決まります。
自分がどれだけできるようになったか
そのテストが、どれくらい難しかったか
つまり、自分の力が上がっていても、テストが難しければ点数は下がります。 逆に、特に何もしていなくても、テストが易しければ点数は上がります。
点数だけを見て一喜一憂してしまうのは、このためです。自分ではコントロールできない「難易度」の分まで、自分の評価に含めてしまっているんです。
そこで登場するのが平均点です。平均点は、そのテストの難しさを教えてくれる数字です。平均が下がっていれば、そのテストは難しかったということ。この物差しを一本持っておくだけで、結果の見え方が変わります!
点数が下がったのに、実は伸びている場合があります。
具体例で見てみましょう。ある生徒の数学の結果です。
1回目
自分の点数:65点
平均点:55点
差:+10点
2回目
自分の点数:58点
平均点:45点
差:+13点
点数だけを見ると、65点から58点へ。7点も下がっています。がっかりしてしまう結果です。
でも、平均点との差で見ると、+10点から+13点へ。周りとの関係では、確実に伸びています!
このテストは全体的に難しかった、ということです。つまりこの生徒は、難しいテストの中で、周りより大きく踏みとどまったということになります。
点数だけを見ていたら、この伸びには気づけません。せっかく積み上げたものを、自分で見落としてしまうのは、本当にもったいないことです。
逆に、点数が上がったときも確認してみてください。
これは少し厳しい話になりますが、同じくらい大事なところです。
点数が上がっていても、平均点も同じだけ上がっていることがあります。
前回:60点(平均50点)→ 差 +10点
今回:70点(平均62点)→ 差 +8点
点数は10点上がっているのに、差は少し縮んでいます。この場合、テストが易しかっただけ、という可能性があります。
これは落ち込むための情報ではありません。「次も同じやり方で大丈夫か」を考える材料です。早めに気づけたぶん、次のテストに向けて手が打てます!
見てほしいのは、この3つです。
テストが返ってきたら、次の3つを確認してみてください。
① 平均点との差を出します。
まずはこれです。引き算をするだけなので、1分もかかりません。
② その差が、前回からどう動いたかを見ます。
いちばん大事なのはここです。差が広がっていれば、確実に前進しています。
1回だけでは分かりにくいので、3回分くらい並ぶと傾向が見えてきます。
③ 教科ごとに出してみます。
全体の点数だけだと、どの教科が伸びているのか分かりません。教科別に差を出すと、得意になりつつある教科と、手当てが必要な教科がはっきりします。
「数学は差が広がっているけど、英語は縮んでいる」と分かれば、次に時間を使う場所が自然に決まります!
記録として残すと、もっと効いてきます。
ノートの見開き1ページで十分です。こんな表を作ってみてください。
回 | 教科 | 点数 | 平均点 | 差 |
1学期中間 | 数学 | 65 | 55 | +10 |
1学期期末 | 数学 | 58 | 45 | +13 |
3回分たまると、自分の成長が目に見える形になります。 これは、点数の記録よりずっと励みになりますよ!
点数のグラフは上下に激しく動きますが、差のグラフは比較的なめらかに動きます。自分の実際の変化に近いのは、差のほうです。
ひとつだけ、注意点があります。
平均点との比較は便利ですが、万能ではありません。2つだけ気をつけてください。
比べるのは、同じ種類のテスト同士にしてください。
定期テストと実力テスト、校内の平均と模試の平均。これらは受けている人も問題の性質も違うので、並べて比べると誤解のもとになります。定期テストは定期テストと、模試は模試と。 これだけ守れば大丈夫です。
最終的には、絶対的な学力も必要になります。
入試で問われるのは、校内での位置ではなく、受験する全体の中での学力です。ですから、「平均より上だから安心」とだけ考えるのは少し危険です。
平均点との差は、日々のテストで自分の変化を正しく読み取るための道具だと考えてください。志望校との距離をはかるのは、模試など別の物差しの仕事です。
保護者の方へ、お願いがあります。
答案を持ち帰った日、最初のひと言を少しだけ変えてみてください。
「何点だった?」のあとに、「平均は何点やった?」
この一言があるだけで、お子さまは「点数は難易度で動くものだ」と自然に理解していきます。そして、点数が下がった回に、必要以上に落ち込まずに済みます。
そして、差が広がっていた回には、ぜひそこを一緒に見てあげてください。
「点は下がってるけど、平均との差は広がってるね」
「難しいテストでこの点なの、私はすごいと思う」
点数が下がった日というのは、お子さまがいちばん声をかけてほしい日でもあります。そこで見てもらえる数字があるというのは、かなり大きな支えになります。
一緒に、結果の読み方を整理しましょう!
当塾では、テストが返却されたら、点数と平均点をセットで記録しています。差の推移が見えるようにしておくためです。
「頑張ったのに点数が下がった」という回でも、差を見ると前進していることは本当によくあります。そこに気づけるかどうかで、次への向かい方が変わります。
答案は、点数に関係なくそのまま持ってきてください。数字の読み方から、一緒に整理していきましょう!





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