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「見直し」は、眺めることではありません ― もう一度“解く”ことです


テストが終わったあと、生徒にこう聞くことがあります。

「見直しはした?」 「はい、しました」 「どうやって?」 「最初から最後まで、ざっと見ました」

これは、残念ながら見直しになっていません。ほとんど点数につながらない時間の使い方です。


見直しとは、自信のなかった問題に印をつけておき、残り時間でその問題だけを、もう一度解くこと。 


当塾では、そう定義して指導しています。


なぜ「眺めるだけ」では間違いが見つからないのか

理由ははっきりしています。自分の書いた答えを見ながら考えると、間違えたときと同じ思考をもう一度なぞってしまうからです。

「7×8=54」と書いた人が、その答えを見ながら確認しても、たいてい「合ってる」と感じます。書いた瞬間の頭のまま読み返しているので、当然です。

さらに、人は自分の答えを正しいと思い込みたがります。テスト中の不安な状態では、なおさらその力が働きます。だから、眺める見直しでは、もともと正解している問題を確認しているだけになります。

間違いを見つけたければ、答えを見ずに、白紙の状態からもう一度計算するしかありません。「同じ答えになったか」で判定する。これが唯一確実な方法です。


手順は、たった3ステップです


ステップ1:解いている最中に、印をつける

これが最も大切です。見直しの準備は、解いている最中にしか行えません。

問題番号の横に、次のように印を残していきます。

  • 無印 … 確実に合っている

  •  … 一応解けたが、少し迷った

  • ? … よく分からない、当てずっぽうに近い

かかる時間は1問あたり1秒です。それでも、後半の時間の使い方がまったく変わります。


ステップ2:残り時間で、△の問題だけを解き直す

最後に必ず5〜10分を残しておき、そこで △ の問題に戻ります。

このとき、自分の書いた答えは見ません。 手や消しゴムで隠して、問題文だけを読み、もう一度最初から解きます。

  • 同じ答えが出た → そのまま。かなり信頼できます

  • 違う答えが出た → どちらが正しいか、根拠を確認して決めます

「無印」の問題には戻りません。時間の無駄です。増えるのは、今あやしいものを確かめたときだけです。


ステップ3:最後の30秒で、全体をスキャンする

解き直しとは別に、機械的な確認を最後に行います。

  • 名前は書いたか

  • 解答欄がずれていないか

  • 記号で答える問題に語句を書いていないか、その逆はないか

  • 単位、符号、「すべて選べ」の見落としはないか

ここは考える作業ではないので、一気に流して構いません。ただし、解答欄のずれだけは全問失点につながるため、必ず確認してください。


「?」の問題はどうするか

分からなかった問題に時間を戻すかどうかは、判断が必要です。

優先すべきは  です。△は、あと一歩で正解に届く問題だからです。?の問題に5分かけるより、△を3問解き直したほうが、期待できる点数は大きくなります。

△をすべて解き直して、なお時間が余った場合にだけ ? に戻ってください。その際も、空欄だけは残さないようにします。記述でも、部分点が入る可能性があります。


「最初の答えを信じたほうがいい」は本当か

「迷って書き直すと、たいてい前の答えが正解だった」

よく聞く話ですが、これは思い込みの側面が強いと考えられています。人は「変えて間違えた」経験だけを強く覚えているためです。実際には、根拠を持って修正した場合、正答率は下がるより上がることのほうが多いとされています。

判断の基準はこう考えてください。

  • 解き直して、違う答えが出た → 変える価値があります

  • 何となく不安だから変えたい → そのままにしておきます

つまり、変えるかどうかを決めるのは気分ではなく、解き直した結果です。ここでも、もう一度解くという作業が判断材料になります。


見直しは、テスト当日に急にはできません

印をつけながら解く。答えを隠して解き直す。これらは技術なので、普段の演習でやっていないことは、本番でもできません。

ですから、家庭学習のときからこうしてください。

  • ワークを解くとき、迷った問題に △ をつける

  • 丸つけの前に、△ だけをもう一度解いてみる

  • そのうえで丸つけをする

これを続けると、自分の △ がどのくらい当たっているのかが分かってきます。「自分は △ の半分を落としている」と分かれば、テスト中に △ へ戻る優先順位も自然に決まります。


時間が足りず、見直しができない場合

そもそも解き終わらない、という相談もよく受けます。この場合は、見直し以前に時間配分の問題です。

対策としては、次の2点をおすすめしています。

  1. 分からない問題で止まらない ― 30秒考えて糸口が見えなければ、? をつけて次へ進みます。手が止まっている時間が、いちばん点数を失います。

  2. 残り時間の目標を決めておく ― 「残り10分の時点で最後の問題まで到達している」と決め、時計を見る回数を増やします。

飛ばした問題に戻れるのは、印をつけてあるからです。ここでも、印が効いてきます。


おわりに

見直しは、余った時間の消化ではありません。あらかじめ時間を確保して行う、得点を取りに行くための作業です。

同じ実力でも、この使い方を知っている生徒とそうでない生徒では、毎回のテストで数点から十数点の差がつきます。それが1年続けば、無視できない差になります。

当塾では、テスト前の演習で「印のつけ方」「解き直しの手順」を実際にやって見せています。うまくいかない、時間が足りないといったお悩みがあれば、遠慮なくご相談ください!

 
 
 

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