暗記は、前日と当日の朝がいちばん効きます! ― 直前の時間の使い方

「早めに覚えたはずなのに、テストで出てこなかった」
そんな経験はありませんか。実はこれ、記憶力の問題ではないことがほとんどです。覚えたタイミングが、本番から離れすぎていただけかもしれません。
暗記系の内容には、はっきりした性質があります。覚えたそばから、少しずつ薄れていくということです。
だとすると、答えは単純です。薄れる前に本番が来るよう、本番の近くで覚える。 つまり、前日と当日の朝に暗記を寄せるほど、点数として残りやすくなります!
直前は、集中力そのものが違います!
もうひとつ、直前が有利な理由があります。
「明日テストだ」という状況で覚える1時間は、2週間前になんとなく覚える3時間より、はるかに頭に入ります。締め切りが近いと、人の集中力は自然に上がるためです。
同じ内容を、より短い時間で入れられる。これが「直前の暗記は効率がいい」と言われる正体です。
ですから、テスト前日に暗記に時間を使うのは、追い込まれた結果の苦肉の策ではありません。むしろ、狙ってそうすべき時間の使い方なんです。
ただし、対象は「暗記でとれるもの」に限ります。
ここだけは、はっきり分けておきましょう。
前日に寄せて効果が出るもの
社会(用語、地名、年号、人物)
理科の暗記分野(生物、地学、化学式、器具の名称)
英単語、漢字、古文単語
各教科の重要語句、一問一答
前日に寄せても伸びにくいもの
数学
英語の文法・長文
理科の計算分野
後者は、理解を積み上げる必要がある分野です。前日に詰めても、解けるようにはなりません。
だからこそ、逆算が成り立ちます。
積み上げ系は早めに手をつけておいて、暗記系は直前に一気に寄せる。この配分ができる人が、同じ勉強時間でいちばん点を伸ばします!
前日は、こんなふうに使ってみてください。
具体的に、前日をどう使うかを並べてみます。
夕方までに、数学と英語を仕上げます。
理解が必要な科目は、この時間帯に終わらせてしまいます。疲れていない時間のほうが、考える作業には向いています。
夕食後は、暗記の範囲をまず一周します。
ここから暗記モードです。最初の一周は、覚えようとしなくて大丈夫です。答えを見ながらで構いません。
目的は、「何を覚える必要があるのか」を把握することです。全体像が見えていないまま覚え始めると、時間ばかりかかってしまいます。
次に、できなかったものにだけ印をつけます。
もう一周して、答えられたものと答えられなかったものを分けます。そして、答えられなかったものにだけ印をつけてください。
ここがいちばん大事なポイントです。すでに覚えているものを繰り返しても、点数は増えません。増えるのは、今できないものを潰したときだけです。
寝る前の30分で、印だけをもう一周します!
印のついたものだけなら、1周が10分程度で終わるはずです。寝る直前に入れた内容は、睡眠中に定着しやすいと言われています。ここは使わない手がありません!
そして、普段どおりの時間に寝てください。
これがいちばんのお願いです。睡眠を削った暗記は、覚えた分をその場で捨てているのと同じになってしまいます。
記憶が整理されるのは寝ている間です。徹夜で2時間分覚えても、定着の工程を飛ばしてしまえば、当日の頭も働きません。寝ることまでが暗記の手順だと思ってください。
当日の朝と、直前の休み時間も使えます!
朝は、印だけを高速で回します。
10分でも効果があります。朝に見た内容は、その日いちばん鮮明に残っています。
このとき、新しい範囲には手を出さないでください。すでに印をつけたものだけを回します。
休み時間は、「あと一回」の最強タイミングです!
テスト直前の休み時間は、暗記にとって最高の時間帯です。ここで見た内容は、数十分後に答案に書ける可能性がかなり高くなります!
印をつけたリストがあれば、この時間を一気に活かせます。前日に印をつけておく価値は、ここにも出てきます。
避けたほうがいいやり方も、3つあります。
同じ「直前の暗記」でも、これをやると成果が出にくくなります。
① ノートにまとめ直してしまう。
時間を大量に使うわりに、覚える作業はあまり進みません。まとめは、覚えたあとで必要な人だけがやるものです。
② 教科書を読み返すだけで終わってしまう。
読むと「知っている感じ」がしますが、テストで問われるのは何も見ずに出てくるかです。必ず、隠して答える形にしてください。
③ できるものも一緒に繰り返してしまう。
気持ちよく進むのですが、点数は増えません。印のついたものに絞れば、同じ時間で何周もできます!
ひとつだけ、正直にお伝えしておきます。
この方法は、定期テストの点数を取るには非常に有効です。 ただし、直前に詰め込んだ知識は、数週間で薄れていきます。これは事実です。
ですから、入試まで見据えるなら、テストが返ってきたあとにもう一度戻ってくる工程とセットにするのが理想です。直前に詰め込んで点を取り、返却後の解き直しで定着させる。 この2段構えが、いちばん無駄がありません。
とはいえ、まずは目の前のテストで点を取ることに大きな意味があります。点が取れた科目は、好きになります。好きになった科目は、自分から勉強できるようになります。この順番で伸びていった生徒を、私たちは何度も見てきました!
保護者の方へ、2つお願いがあります。
テスト前日の夜、気になることは多いと思います。そのうえで、お願いしたいことが2つあります。
① 「早く寝なさい」は、正しいです。
夜更かしして覚えた分は、翌日の頭の働きを下げてしまいます。睡眠時間を確保することは、立派なテスト対策です。ここは遠慮なく伝えてあげてください。
② 朝の10分を、確保してあげてください。
当日の朝、10分だけ見返す時間があるかどうかで、結果が変わることがあります。少し早めに起こす、朝食を少し早める。それだけで十分です。
そして、前日に頑張っていた姿を見たときは、その場で言葉にしてあげてください。
「昨日の夜、ちゃんとやってたね」
「寝る前まで続けてたの、私はすごいと思う」
点数はまだ出ていませんが、やったこと自体は、その時点で確かなものです。そこを認めてもらえた子は、次のテストでも同じように動きます。
直前の使い方も、一緒に組み立てます!
当塾では、テスト前に「どの科目をいつやるか」を一緒に決めています。
暗記をどこに寄せるか、積み上げ科目をいつまでに終えるか。この配分を決めるだけで、同じ勉強時間から取れる点数は変わります。
「何から手をつければいいか分からない」という状態でも、まったく問題ありません。範囲を一緒に見ながら、前日までの流れを組み立てましょう!
テスト前でお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。





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